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ETCマイレージ 請求書の見方|無料通行分の反映確認と15か月保存ルールを解説

ETCマイレージの請求書は「通常料金から無料通行分を差し引いた金額」で表示されます。本文では、明細の読み解き方と照合フロー、朝夕割の時期ズレ対処、PDF原本とCSVの15か月保存、経費提出の必須項目、トラブル時の確認点までを一度で整理。ムダなく節約しつつ、差戻しと失効を防ぐ実務手順を解説します。

 

請求書の仕組みと明細の基礎

ETCマイレージの請求書は、「通常料金(各種割引適用後)」から「無料通行分(還元額)」を差し引いた金額がカード側に計上される仕組みです。無料通行分は、ポイント交換や平日朝夕割引の事後付与で増え、次回以降の走行に自動で充当されます。

明細の読み解きでは、①通常料金、②無料通行分の充当額、③差引後請求額、④残高変動(付与・交換・充当)の4点を同日に突き合わせると混乱が減ります。

 

なお、無料通行分で支払われた部分には新たなポイントは付与されません。したがって、長距離前に過剰交換すると翌月のポイント獲得が減る可能性があるため、月末に到達見込み(1,000/3,000/5,000pt)と翌月の走行予定を同時に評価し、必要量だけ交換するのが実務的です。

請求書だけでは「いつ・どの由来(交換/朝夕割)」で残高が増減したかが分かりにくい場合があるため、ETC利用照会サービスとマイレージ口座の履歴も合わせて確認します。

 

項目 内容
通常料金 割引適用後の基礎額。区間・車種・日時で決定
無料通行分 ポイント交換/朝夕割の事後付与で増加、走行時に自動充当
差引後請求額 カードに計上される最終金額(ポイント付与の基礎)
残高履歴 「交換」「付与」「充当」を時系列で確認し、相違を解消

 

月次確認の型
  • 通常料金→充当→差引後額を同一走行で横並び確認
  • 残高の増(交換・朝夕割)と減(充当)を時系列で突合
  • 翌月の長距離予定と到達見込みを加味して交換量を決定

 

請求金額と差引後表示

請求書には、各走行の「通常料金」が並び、無料通行分の残高がある場合は当該走行に自動充当されたうえで「差引後請求額」が計上されます。

たとえば通常料金が2,400円、無料通行分残高が1,000円であれば、差引後は1,400円となり、カード請求には1,400円が反映されます。

 

無料通行分で支払われた1,000円部分は新規ポイント付与の対象外で、付与レート(例:10円→1pt)は差引後額に対して適用されます。

複数走行が同日にあると、充当の順序や端数で差し引き額が異なるため、走行明細(区間・時間)と残高履歴(充当・付与)を横に並べて見ると相違を早期に発見できます。

なお、朝夕割は翌月一括で無料通行分として付与されるため、当月の請求では「通常料金−既存残高の充当」のみが反映され、翌月20日以降に残高が増える点を念頭に置きます。

 

項目 金額の見え方 実務メモ
通常料金 例:2,400円 割引後の基礎額。区間・車種・時間で変動
無料通行分充当 例:1,000円 残高から自動差引。期限の近いものから消化
差引後請求額 例:1,400円 カードに計上。ポイント付与の基礎額
  • 例:通常4,800円/残高5,000円 → 差引後0円(当該走行での新規付与は原則なし)。
  • 差異が出たら、朝夕割の付与タイミング(翌月)と端数処理を確認します。

 

無料通行分の反映順序

無料通行分は、走行が発生した順に自動で充当され、原則として「期限の近い残高」から優先的に消化されます(先入先出の運用)。

ポイント交換由来と朝夕割由来が混在していても、由来の違いよりも「期限優先」が先に働くため、利用者側は残高の“種類”を意識し過ぎる必要はありません。

 

残高が不足する場合は、不足分だけがカード請求に回ります。逆に残高過多の状態で短距離走行が続くと、毎回の請求額が小さくなり、新規ポイント付与が目減りします。

長距離予定の直前に大量交換すると付与機会を減らすため、必要最小限の交換→走行後に再評価が安全です。

朝夕割は翌月一括付与のため、当月末に交換を急がず、翌月20日以降に合算して5,000pt相当へ届くかを再判定すると取りこぼしを減らせます。

 

ケース 反映の流れ 留意点
残高十分 通常→全額充当→請求0円 当該走行の新規付与は原則なし
残高不足 通常→一部充当→不足分のみ請求 不足分が付与対象額になる
翌月付与 朝夕割→翌月残高増→以後の走行で充当 当月の差異は翌月に解消されることが多い

 

運用上の注意
  • 期限優先で消化されるため、残高は“貯め過ぎない”
  • 長距離前の過剰交換は付与減の原因
  • 朝夕割は翌月反映。当月に差異が出ても慌てて交換しない

 

利用照会との役割の違い

「請求書」「ETC利用照会サービス」「ETCマイレージ口座」は役割が異なります。請求書はカード会社が発行する金銭計上の記録で、差引後請求額が反映されます。

ETC利用照会サービスは走行明細と利用証明書(PDF/CSV)の取得が主で、過去分のダウンロード可能期間は目安で15か月、最終ログインから450日でIDが自動解約される運用があるため、四半期ログインが安全です。

 

ETCマイレージ口座はポイントの付与・交換と無料通行分(残高)の管理を担い、ポイント期限は「付与年度の翌年度末」、無料通行分にも別期限が存在します。

照合は、①利用照会の「走行明細(通常料金)」、②マイレージの「残高履歴(交換・付与・充当)」、③請求書の「差引後請求額」を同日に突き合わせると正確性が高まります。

 

区分 主な役割 実務ポイント
請求書 差引後請求額の計上 カード側の基準額。ポイント付与は差引後額に対して
利用照会 走行明細・証明書の取得 DLは目安15か月、450日未ログインでID解約に注意
マイレージ ポイント・交換・残高管理 ポイント期限は翌年度末。無料通行分も別期限で管理
  • 月末に3つを同日突合し、「月初+当月付与−当月充当=月末残高」を検算します。
  • ID・名義・車載器の紐づけを台帳化し、差戻し・失効・解約リスクを同時に抑えます。

 

照合フローと差異解消の手順

請求書のズレは、「走行明細」「マイレージ残高履歴(交換・付与・充当)」「カード請求」の3点を同日に突き合わせると解消しやすいです。

基本式は、無料通行分については〈月初残高+当月付与(ポイント交換+朝夕割)−当月充当=月末残高〉、カード側は〈各走行の差引後額の合計=当月請求額〉です。

 

まず走行ごとに通常料金を確認し、同日の残高履歴に充当記録があるかを照合します。次に、月内の「交換」「朝夕割付与」の合計と、当月の充当合計を相殺し、月初と月末の残高が式どおり一致するかを検算します。

最後に、カード請求書の合計と走行明細(差引後額の合計)が等しいかを確認します。差異が残る典型は、朝夕割の翌月一括付与や端数処理、日付のズレ(0時跨ぎ、カード締め)です。以下の順序で切り分けると、再現性のある照合フローになります。

 

  1. 走行明細で通常料金・区間・日時を確認。
  2. 残高履歴で同日の「充当」金額を突合。
  3. 当月の「交換」「朝夕割付与」を合計し、月初・月末残高で検算。
  4. カード請求書の当月合計と、差引後額の合計を突合。
  5. ズレがあれば、朝夕割の翌月付与・端数処理・日付ズレを点検。

 

照合対象 確認ポイント
走行明細 通常料金・時間帯・車種区分が正しいか
残高履歴 交換・朝夕割付与・充当の時系列整合
カード請求 差引後額合計と一致しているか

 

月末の総点検(基本式)
  • 月初+(交換+朝夕割)−充当=月末 を検算
  • 差引後額の合計=請求書合計 を確認
  • ズレは「翌月付与・端数・日付」を順に切り分け

 

通常料金と充当額の突合

走行明細の通常料金は、割引適用後の基礎額です。無料通行分(還元額)が残っていれば、走行日に自動で充当され、差引後の金額がカードへ計上されます。突合は走行単位で行います。

例として、残高5,000円で「A:通常2,400円」「B:通常1,300円」を同日に走行した場合、Aに2,400円、Bに1,300円が順に充当され、当日のカード計上は0円、残高は1,300円減少して2,? Wait compute: 5,000 – 2,400 – 1,300 = 1,300残り。差引後額の合計は0円となります。

 

別日Cで通常2,000円なら、1,300円が充当され、差引後は700円です。ここで重要なのは、充当分には新規ポイントが付かない点です(付与レートの基礎は差引後額)。

突合時は、走行明細の「通常→充当→差引後」の順で横並びにし、同日の残高履歴に「充当」記録があるかを見ます。

もし走行明細に通常料金があるのに残高履歴の充当が見当たらない場合は、残高不足・期限切れ・別ID残高・対象外区間の可能性を疑います。

 

走行 前提/処理 カード計上・残高
A 通常2,400円/残高5,000円→2,400円充当 計上0円/残高2,600円
B 通常1,300円→1,300円充当 計上0円/残高1,300円
C 通常2,000円→1,300円充当・700円不足 計上700円/残高0円

 

突合でつまずく原因
  • 同日複数走行の充当順序を追っていない
  • 別ID・別カードの残高を混在させている
  • 期限切れ・対象外区間で充当されていない

 

朝夕割付与の時期ズレ

平日朝夕割引は、当月の対象走行回数を集計し、翌月の所定日に無料通行分として一括付与されます。そのため、当月の請求や残高には「朝夕割の付与前提」は反映されず、翌月20日以降に残高が増えてから以降の走行で充当されます。

差異が出やすいのは、①当月に予定していた交換を先に実行し、翌月の朝夕割付与と重なって残高が過多になるケース、②当月の走行で“朝夕割が適用されている前提”で差引後額を小さく見積もるケース、③回数カウントの誤解(朝・夕各1日1回のみ、対象外区間は不カウント)です。

照合では、朝夕割は必ず翌月付与として扱い、当月は純粋に「通常料金−その時点の残高」のみで計算します。翌月付与が入ったら、当月の充当と相殺し、総残高の増減が基本式に一致するかを確認します。

 

時期 残高への影響 実務メモ
当月 朝夕割は未付与。既存残高のみで充当 差引後額=通常−当日残高(交換済み分)
翌月20日以降 朝夕割が一括付与→残高増 以後の走行で自動充当。前月の差異はここで解消

 

朝夕割の取りこぼし防止
  • 当月末の交換は、翌月付与を見てから判断
  • 翌月に合算し、5,000pt相当へ到達すれば効率的
  • 回数・対象区間の条件を月内で再確認

 

端数処理と日付整合

差異が小さく残る場合は、端数処理と日付整合を確認します。料金・付与・交換の各ステップで、事業者ごとの四捨五入や切り捨てが入ると、1円〜数十円規模のズレが生じることがあります(例:ポイント付与は10円単位換算で端数切り捨て等)。

また、走行が0時跨ぎになると、利用照会の走行日とカード側の計上日がズレやすく、カード締め日や深夜帯のバッチ計上によって、同一走行でも「走行日」と「請求計上日」が異なることがあります。

 

さらに、複数ID・複数カード運用では、同一車両でもID違いで記録されると、日付順で追っても一致しません。

切り分けのコツは、「同日一致」を捨て、まず月合計で一致させ、その後にズレ日の候補(0時前後・締め日前後)を重点確認することです。

 

ズレ要因 具体例 対処
端数処理 付与換算で端数切り捨て/切り上げ 走行単位ではなく月合計で検算
日付ズレ 0時跨ぎ・カード締め・計上バッチ 「走行日」と「請求計上日」を別軸で確認
ID混在 別ID・別カードに分散計上 ID台帳で紐づけ、全IDを横断照合

 

差異を最短で埋める手順
  • 月合計の一致→ズレ日特定→端数・日付・IDの順で点検
  • 0時前後・締め日前後の走行を優先確認
  • スクリーンショットで証跡化し、翌月へ引き継ぎ

 

保存方法と電子保存の基準

ETCマイレージの請求まわりは「電子データが原本」です。保存対象は、①カード会社の請求書(PDF)、②ETC利用照会サービスの利用証明書(PDF)・走行明細(CSV)、③マイレージ口座の残高・交換履歴の画面保存(必要に応じてPDF化/スクリーンショット)に大別できます。

実務では、月次で一括取得し「年/月/カード末尾4桁/車両名」の階層で保管、ファイル名は日付・カード末尾・車両・区分(請求・証明・明細)を含めて検索性を高めます。

 

PDFは“原本”として改変不可で保管、CSVは集計・照合用として併置します。バックアップはクラウド+外部媒体の二重化、アクセスは最小権限、変更は版管理(v1→v2)で痕跡を残します。

月末に「残高・期限・付与見込み(翌月20日)」の点検と同時に保存を行うと、失効・差戻し・証憑欠落を一度に防げます。

 

項目 内容
保存対象 請求書PDF/利用証明書PDF/走行明細CSV/(必要時)残高画面PDF
命名例 YYYYMM_CARD1234_CarA_請求.pdf/YYYYMM_CARD1234_ETC証明.pdf/…
格納構成 /ETC/年/月/ でカードや車両をサブフォルダ化
バックアップ クラウド+外部媒体を同日コピー(差分でOK)
権限・改変 閲覧・編集を分離、差替えは版管理と履歴メモを必須
  • 月末固定運用(DL→命名→格納→バックアップ→台帳更新)にすると抜け漏れを防げます。

 

PDF原本とCSVの運用

PDFは電子取引の原本であり、改変不可のまま保管します。カード請求書PDFと利用証明書PDFは、月次で取得して同一フォルダに格納し、同名衝突を避けるために「年月+カード末尾4桁+車両+区分」を必ず含めます。

CSVは“分析・照合用”のため、プロジェクト別・区間別・車両別の集計に活用しつつ、元データはそのまま保存します。提出用の集計表はCSVから派生させ、数式セル・加工日時・担当者を記載して再現性を担保します。

 

編集禁止のPDFと、加工可能なCSVを対で保管することで、「原本性(PDF)」「検算性(CSV)」「再現性(派生表)」を同時に満たせます。

法人では、請求書PDFは申請ワークフローに直接添付し、CSVは裏取り資料として監査時に提示できるようフォルダリンク(社内規程の範囲)を記録します。

 

PDF×CSV 運用ルール(推奨)
  • PDF=原本。改変不可で保管、版差替えは不可(新ファイルで版管理)
  • CSV=集計・照合用。加工表はCSVから作り、加工者・日付を記載
  • 請求PDF・証明PDF・CSVを同一月フォルダに揃える

 

区分 具体運用
命名 2025-11_CARD1234_CarA_請求.pdf/2025-11_CARD1234_ETC証明.pdf/2025-11_CARD1234_ETC明細.csv など
提出 PDF原本を申請に添付、CSV集計を補助資料として提示
監査 PDFとCSVの突合(合計一致、差引後額一致、区間注記)を示せる状態

 

取得期限15か月の管理

ETC利用照会のダウンロード可能期間は目安で15か月です。決算期にまとめて取得しようとすると、過去分が取得不能になりやすいため、月末固定のルーチン化が最も確実です。

家族・法人で複数IDを運用している場合は、IDごとに「DL対象月・取得日・担当者・欠落の有無」を台帳化し、四半期に棚卸して空白月を埋めます。

 

未ログイン450日で利用照会IDが自動解約される運用もあるため(IDごと判定)、保存運用と同日にログイン点検を行い、アカウント停止による証憑欠落を未然に防ぎます。

朝夕割は翌月付与のため、当月に慌てて交換・DLを行うより、翌月20日以降に残高が増えたことを確認してから同月分を保存すると、照合が簡潔になります。

 

時点 保存アクション 目的
月末 請求PDF・証明PDF・CSVを取得、命名・格納・二重保存 15か月超の欠落を防止、同月内で整合を確保
四半期末 台帳で空白月を棚卸、全IDログイン確認 欠落月の早期発見、450日対策
翌月20日以降 朝夕割付与を確認し、残高履歴をPDF化(必要時) 翌月付与による差異の解消を保存に反映
  • 欠落月が見つかったら、カード明細・精算書で代替証跡を整備し、理由をメモ化します。

 

改変防止と検索要件

電子保存の実務基準は「真実性(改変防止)」「見読性(すぐ見られる)」「検索性(条件で探せる)」の3点に整理できます。

真実性は、PDF原本のまま保管し、差替えは版追加で履歴を残す/保存直後に時刻記録・担当者記録を付ける/アクセス権限を最小化する、などで確保します。

見読性は、いつでもPC・スマホで読める解像度と形式での保存、外部媒体にも同一構成で複製して停電・障害時に即時アクセスできる状態を作ることです。

 

検索性は、少なくとも「取引年月日」「金額」「相手先(カード会社・道路事業者)」で検索できるファイル名・フォルダ・台帳の設計が有効です。

さらに、月初+付与−充当=月末の検算式を台帳に持たせると、監査時の説明が速くなります。

 

要件 実装例 チェックポイント
真実性 PDF原本の改変禁止、版管理、保存時刻・担当者ログ 差替えは新ファイル(v2)で履歴が追えるか
見読性 PDF解像度の確保、停電時も外部媒体で閲覧可能 3分以内に対象月のPDFへ到達できるか
検索性 YYYYMM・金額・カード末尾・相手先を命名に含む 年月/金額範囲/相手先の複合検索が可能か

 

監査・提出で困らないために
  • PDF原本は絶対に上書きせず、新版を追加して履歴を保持
  • 台帳で「年月・金額・相手先・カード末尾・担当者」を検索可能に
  • 突合式(月初+付与−充当=月末)を毎月計算し、値と証跡を保存

 

会社員向け経費提出の要点

会社員のETCマイレージ経費は、「差引後請求額」を基準に、請求書PDF・利用証明書PDF・走行明細CSVをそろえて提出するのが基本です。無料通行分(還元額)は請求時に自動充当され、充当分には新規ポイントが付かないため、申請金額は必ず差引後で整合させます。

実務では、カード締めや給与日など固定日に、①ETC利用照会へのログイン、②当月のPDF/CSV取得、③残高(交換・朝夕割付与・充当)の突合、④申請書作成と添付、⑤台帳更新(名義・カード末尾・ID・最終ログイン日)を同日に実行すると差戻しを防げます。

DL可能期間は目安で15か月ですので、月次保存をルール化し、四半期に欠落月を棚卸します。家族カード・社用車が混在する場合は、名義・車両・カード・IDを一対一で紐づけ、社内規程に沿って「社用精算=社用名義」を原則化します。

 

提出物 要点
請求書PDF 差引後額が基準。カード明細と一致させる
利用証明書PDF 用途・区間・車両の注記を付して関連性を明確化
走行明細CSV 合計・区間別の集計表を作り、数値一致を確認

 

固定日ルーチン(推奨)
  • ログイン→PDF/CSV取得→突合→申請→台帳更新を同日実施
  • 月末は翌月20日付与(朝夕割)を見込んで差異を説明可能に

 

申請書の必須記載事項

申請書は「原本性」「業務関連性」「数値整合」の3点を満たす記載が必要です。原本性は請求書PDF・利用証明書PDFの添付で担保し、業務関連性は用途(訪問・納品・現地対応など)、区間(出発IC→到着IC)、車両(社用/自家用・車両名)、同乗の有無を明記します。

数値整合では、走行明細CSVの合計と請求書の差引後額、利用証明書の合計が一致しているかを検算し、無料通行分(充当額)がどの走行に充当されたかも説明できる状態にします。

私用分が混在する場合は按分の根拠(例:業務8割・私用2割の判断基準)を添えて、私用相当額を除外します。カード末尾4桁、名義、ID、走行日、差引後額(円)を並記し、DL可能期間(目安15か月)内の原本を添付します。

 

項目 記載例・注意点
対象期間・金額 例:当月分合計 12,400円(差引後)。日別内訳をCSVで添付
用途・区間・車両 例:取引先訪問/〇〇IC→△△IC/社用車(車両名)
無料通行分 充当額の有無・内訳。差引後額との整合を明記
名義・カード 契約名義、カード末尾4桁、関連IDを併記
按分と除外 私用除外の根拠・計算式を簡潔に記載
  • 添付一覧:請求書PDF/利用証明書PDF/走行明細CSV/(任意)集計表。

 

差戻し防止のチェック

差戻しの大半は、金額不一致・関連性不明・名義不整合に起因します。提出前に「月初+当月付与(交換+朝夕割)−当月充当=月末」の式で残高の整合を検算し、請求書の差引後額合計と走行明細の差引後額合計が一致しているかを確認します。

朝夕割は翌月一括付与のため、当月は差引後額と一致しなくても、翌月20日以降に差異が解消されることを注記できると審査が滑らかです。

 

端数処理(10円→1pt換算の切り捨て等)や0時跨ぎによる計上日のズレも、月合計で突合→ズレ日の候補を明示すれば十分に説明可能です。

名義・車両・カード末尾・IDの紐づけが弱いと否認要因になるため、台帳から該当行を引用して関係性を示します。

 

事象 よくある原因 対処
金額不一致 朝夕割の翌月付与、端数処理、計上日ズレ 月合計で一致→ズレ日候補を注記
関連性不明 用途・区間・車両の記載不足 利用証明書PDFに注記を追記
名義不整合 家族カード混入、社用/私用の混在 台帳の名義行を添付し、私用は除外

 

提出前の最終チェック
  • 差引後額=請求合計/CSV合計が一致している
  • 用途・区間・車両・名義・カード末尾の対応が明確
  • 朝夕割の時期ズレは注記済み、欠落月は理由を記録

 

名義分離と家族運用

家族カードや自家用車を併用する場合は、名義・車両・カード・IDの分離管理が不可欠です。社用精算に家族カードの利用を混在させると、名義不一致や私用混入が疑われやすく、否認リスクが高まります。

原則として「社用精算=社用名義・社用カード・社用ID」に限定し、家族カード分は私用として除外します。

車載器変更・車両入替え時は、登録情報を即日更新して利用照会・マイレージ・申請書の記載と整合させます。

 

IDは未ログイン450日で自動解約される運用があるため、四半期ごとに全IDでログインし、証憑取得(PDF/CSV)の欠落を防ぎます。

台帳には「名義(契約者)/利用者(運転者)/車両/カード末尾4桁/ID/最終ログイン日」を一行で管理し、承認者が一目で整合を判断できるようにします。

 

ケース リスク 対策
家族カード混在 名義不一致・私用混入で否認 社用精算は社用カード限定、私用は除外・按分明記
車載器・車両変更 登録不整合で照合不可・付与漏れ 即日で登録更新、台帳とPDFの表記を統一
複数ID運用 未ログインでID解約→証憑欠落 四半期ログイン、DL・最終ログイン日を台帳で管理

 

名義管理の実務ルール
  • 社用=社用名義・社用カード・社用IDを原則化
  • 台帳で「名義・車両・カード末尾・ID・最終ログイン日」を一元管理
  • 変更が発生した当日に登録更新と証憑記載を同期

 

トラブル時の確認と連絡先

請求書と残高の突合で不一致や不具合が起きた場合は、原因を「充当の不発」「時期ズレ・端数」「ID・名義の不整合」「メール詐欺の疑い」に分解して確認します。

無料通行分(還元額)は原則として期限の近い残高から自動充当され、充当分は新規ポイント付与の対象外です。

 

したがって、長距離前の過剰交換や、別ID・別カードに残高が分散していると、請求の見え方が想定とズレることがあります。

朝夕割は翌月一括付与(目安:20日)で残高に反映されるため、当月の不一致は翌月の付与で解消されるケースが多いです。

 

連絡先は、①カード会社(カード裏面の窓口)、②ETC利用照会サービスのヘルプ窓口、③道路事業者(マイレージ問合せ)の順に状況へ最も近い主体から照会します。

照会時は「走行日時・区間・車両・ID・カード末尾4桁・差額」をまとめ、スクリーンショットを添えて伝えると調査が速く進みます。

 

症状 第一に確認すべき点
充当されない 対象区間か/残高・期限/別ID残高/登録カード・車載器の一致
金額が合わない 朝夕割の翌月付与/端数処理/0時跨ぎ・締め日ズレ/複数ID混在
不審メール 送信ドメイン/リンク先の一致/ブックマーク経由での再確認

 

連絡前に揃えるもの
  • 走行明細(日時・区間・通常料金・差引後額)
  • 残高履歴(交換・朝夕割付与・充当の時系列)
  • カード請求書(当月合計・カード末尾4桁)

 

充当されない時の確認

無料通行分があるのに充当されない場合は、前提条件のどこかに不一致があることが多いです。まず、対象走行がETC無線通行か(現金・有人レーンは対象外)、走行ルートに割引対象区間が含まれているか、登録カード・車載器・名義が最新情報に更新されているかを確認します。

残高側は「有効期限切れ」「別IDに残高」「朝夕割は未付与(翌月付与)」が典型原因です。また、残高が1,000円しかないのに通常料金が1,400円の場合は、1,000円だけ充当され、400円はカード請求に回ります。

充当記録は残高履歴に残るため、走行日の「充当」行と走行明細を横並びで見ると判定が容易です。改善しない場合は、残高の種別(交換由来/朝夕割由来)と期限、別IDの残高を横断的に洗い出して切り分けます。

 

  1. 対象走行の前提確認(ETC無線通行・対象区間・登録情報の一致)。
  2. 残高の状態確認(有効期限・金額・別ID残高の有無)。
  3. 当日充当の有無を残高履歴で確認(充当行の記録)。
  4. 不足分がカード請求に回っていないかをカード明細で確認。

 

ケース 原因の目安 対処
充当ゼロ 対象外区間/期限切れ/別ID残高 区間・期限・IDを修正し、以後の走行で充当
一部のみ充当 残高不足(例:残高1,000円) 不足分は請求へ。必要に応じて追加交換

 

問い合わせ前チェック
  • 登録カード・車載器・名義が最新か
  • 別IDの残高・充当記録が紛れていないか
  • 朝夕割は翌月付与のため当月は未反映の可能性

 

請求額が合わない場合

請求額の不一致は、多くが時期ズレ・端数・日付整合で説明できます。朝夕割は翌月一括付与のため、当月は「通常料金−当日残高」の差引後額のみが請求に反映され、翌月20日以降に残高が増えて以降の走行で充当されます。

端数処理(例:ポイント付与が10円単位で端数切り捨て)や、0時跨ぎ・カード締め前後の走行は「走行日」と「請求計上日」がズレることがあります。

 

まず月合計で一致させ、次にズレ日候補(0時前後・締め日前後)を重点確認します。複数ID・複数カードで管理している場合は、ID台帳を使って「名義・車両・カード末尾4桁・ID」を突合し、混在を解消します。

どうしても合わない場合は、スクリーンショット(走行・残高・請求の3枚)を用意して、カード会社またはマイレージ窓口に照会します。

 

  • 月合計の一致→ズレ日特定→端数・日付・IDの順で点検します。
  • 「月初+(交換+朝夕割)−充当=月末」が成立しているか検算します。
  • 差引後額の合計が請求合計と一致しているかを確認します。

 

ズレ要因 具体例 是正のポイント
時期ズレ 朝夕割の翌月付与、締め日跨ぎ 翌月20日以降に残高増→以後の走行で解消
端数処理 付与換算の切り捨て 走行単位ではなく月合計で一致を確認
ID混在 別ID・別カードで分散 台帳で一対一に紐づけて再集計

 

差戻し防止の要点
  • 差引後額=請求合計/CSV合計の一致を明記
  • 朝夕割の翌月反映は注記で説明
  • 台帳から名義・カード末尾・IDを併記

 

不審請求メールの判別

ETC関連を装うフィッシングは、即時操作を迫る文言(「〇時間以内に更新」)や不自然なリンクで誘導します。

判別は、表示名ではなく送信ドメイン(@以降)の完全一致、記載URLと実リンク先の一致、本文の根拠(最終ログイン日・手続名・ID)の有無で行います。

 

メール本文のリンクは踏まず、必ずブックマークまたは手入力の正規URLからログインし、マイページのお知らせで同趣旨通知の有無を確認します。

さらに、カード会社の明細や最近の利用と突合し、未利用なのに「未払い」などの矛盾がないか点検します。

疑わしい場合は、メールの全文(ヘッダー含む)を公式窓口へ転送し、パスワード変更・カード会社への利用監視依頼までを一括で実施します。

 

判別観点 安全な例 危険な例
送信元 公式ドメインと完全一致 似せた綴り・余分な文字・短縮URL
本文 理由・手続・代替手段が明確 即時停止の脅し、誤字、文体の不自然さ
リンク 記載URL=実リンク先 実リンク先が別ドメイン・短縮URL

 

安全確認フロー
  • メールのリンクは開かず、正規URLからログイン
  • マイページ通知・カード明細で事実を照合
  • 不審なら窓口へ転送し、PW変更・監視依頼まで実施

 

  • 連絡先の目安:カード会社コールセンター(カード裏面)、ETC利用照会サービスのヘルプ窓口、道路事業者のマイレージ問合せ窓口。受付時は「日時・区間・差額・カード末尾4桁・ID」を伝えます。

 

まとめ

請求書は差引後額が基準、無料通行分で支払った部分はポイント付与対象外です。走行明細・残高履歴・カード明細を同日に突き合わせ、朝夕割の翌月付与を考慮して差異を解消。

証憑はPDF原本+CSVで月次保存(取得可能は目安15か月)、社内様式に沿って用途・区間・車両を明記。名義とIDを台帳管理し、未ログイン450日や期限切れを同時に回避しましょう。