副業所得を年間20万円以下に抑えれば所得税の確定申告は原則不要になるものの、住民税の申告・納付義務は残ります。確定申告書や住民税申告書で副業分を「普通徴収」に切り替えれば、会社に届く住民税通知の増額を避けられるため、副業がバレるリスクを最小限に抑えられます。
本記事では「20万円ルール」の基礎と初心者向けおすすめ副業10選、収益管理アプリや経費計上テクニック、さらに上限を超えそうなときの青色申告・投資戦略までを体系的に解説。副業・ポイ活の最新トレンドを反映し、今日から安全に稼ぎ始める具体的ステップがわかります。
20万円以下副業の基礎と税金ルール

会社員やパート勤務の方が副業で得る利益(=収入−経費)が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則不要とされています。しかし「申告不要だから手続きは一切不要」と誤解してしまうと、住民税の申告漏れや会社への副業発覚につながる恐れがあります。
税制上の「所得」と日常的な「収入」は定義が異なり、計算に使う金額を取り違えると20万円ルールを越えてしまう場合もあります。
ここでは制度の全体像、申告が必要になるケース、バレ防止の基本方針をまとめ、以降の実践パートで必要な手順やツールをスムーズに理解できる下地を作ります。
判定条件 | 必要な手続き |
---|---|
副業所得20万円以下 | 所得税…確定申告不要/住民税…原則申告必要(普通徴収に切替推奨) |
副業所得20万円超 | 所得税・住民税ともに申告必要/住民税は特別徴収・普通徴収を選択 |
- 20万円の判定基準は「所得」ベースで行う
- 住民税は所得額に関係なく申告義務が残る
- 会社バレ防止には住民税を普通徴収へ変更する
「20万円ルール」とは?所得と収入の違い
副業の税務でまず混同しやすいのが「収入」と「所得」の区別です。収入は売上やポイント換金額など入ってきた金額の総額、所得はそこから必要経費を差し引いた純利益を指します。
国税庁の通達では「給与所得者で、給与所得と退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合に確定申告が必要」と明記されており、判定対象はあくまで所得です。
たとえばフリマアプリで年間30万円の売上があっても、仕入れや送料・手数料などで15万円の経費がかかっていれば所得は15万円となり、確定申告は不要となります。
- ケースA:売上25万円/経費7万円 → 所得18万円(申告不要)
- ケースB:売上28万円/経費5万円 → 所得23万円(申告必要)
- ケースC:売上19万円/経費0円 → 所得19万円(申告不要)
【ポイント】
- 家計簿アプリにレシートを撮影登録して自動で経費集計
- 通信費や電気代は業務使用割合をあらかじめ設定して按分
- キャッシュレス決済の明細は月次でCSV出力し保存
所得と収入を正確に把握することで「実は20万円を超えていた」「経費を入れたら範囲内だった」という判断を的確に行えます。経費を漏れなく計上し、収入と切り分ける作業が節税とトラブル回避の第一歩です。
確定申告が不要でも住民税申告は必要?
所得税の確定申告を省略できても、住民税の申告は原則必要です。多くの自治体は公式サイトで「所得が20万円以下でも市民税・県民税の申告が必要」と案内しており、未申告の場合は追加納税や延滞金が発生するリスクがあります。
会社員の場合、住民税は「特別徴収(給与天引き)」が基本ですが、副業分を普通徴収(自分で納付)に切り替えることで会社に住民税の増額が通知されず、副業が発覚しにくくなります。
- 提出時期:1月~3月中旬(自治体により変動)
- 必要書類:住民税申告書・副業収入の内訳書・領収書写しなど
- 申告方法:窓口提出・郵送・電子申請(対応自治体のみ)
- 延滞金・無申告加算税で税負担が増大する
- 過去5年分の所得を遡及課税され一括納付を求められる
- 納税調査の過程で勤務先に問い合わせが入り、副業が発覚する可能性
普通徴収に切り替えても、住民税は年4回の納期ごとに納付書で支払う必要があります。
納付書の紛失防止に加え、口座振替やQRコード決済を設定しておくと支払忘れによる督促状を回避できます。副業の所得と納税スケジュールを可視化し、年間キャッシュフローに組み込むことが大切です。
会社員が気を付けたい源泉徴収と年末調整
年末調整は給与所得のみを対象に税額を確定する手続きであり、副業所得は含まれません。そのため副業で得た利益が20万円を超えた場合は確定申告で精算し、超えない場合でも住民税の普通徴収切替を行わないと、会社に届く住民税額が増えて副業がバレる可能性があります。
また副業が原稿料や講演料など雑所得扱いで支払時に源泉徴収されている場合でも、最終的な税額は確定申告で再計算する必要があります。
- 確定申告書第二表の住民税・事業税欄「自分で納付」にチェック
- 住民税申告書の徴収方法欄で「普通徴収」を選択
- 源泉徴収票をクラウド会計ソフトに読み込んで数字の転記ミスを防止
- 支払金額・社会保険料控除・源泉所得税額が前年と比べて不自然に増えていないか確認
- ふるさと納税や生命保険料控除の控除証明書を早めに提出し、源泉徴収税額を最適化
- 医療費控除や寄附金控除がある場合は確定申告で還付を受ける
源泉徴収票は毎年1月末までに会社から交付されるため、副業所得の記帳データと合わせて保存し、確定申告ソフトにアップロードしておくと、必要になった際に数字を二重入力せずに済むため効率的です。
年末調整時期に副業所得を再確認し、20万円ルールを超える見込みがあれば早めに経費を整理するか、超過分を見込んだ資金準備を行いましょう。
税金ゼロで始められるおすすめ副業10選

副業初心者が「20万円ルール」の範囲内で収入を得るなら、初期費用がほぼ不要で、報酬を自分のペースで調整できる仕事を選ぶのが安全です。本章では税金ゼロのまま始められ、かつ稼ぎながらスキルアップや在庫リスク低減にもつながる副業を厳選しました。
リサーチの結果、ポイントサイトやクラウドソーシングなどのオンライン案件、フリマ出品やハンドメイド販売といった実物取引型まで、合計10種類を紹介します。いずれもスマホと銀行口座さえあれば今日から着手でき、所得の上限管理もしやすいのが特長です。
- ポイントサイト・アンケートモニター
- クラウドソーシング(Webライター/動画文字起こしなど)
- ブログ広告(Google AdSense・ASP)
- ネットショップ・ハンドメイド販売
- フリマアプリで不用品販売
- スキルシェア(ココナラ・ストアカ)
- オンライン家庭教師・コーチング
- 写真・イラスト素材のストック販売
- データ入力・タスク案件
- シェアリングエコノミー(スペース貸し・カーシェア)
スキマ時間で稼げるポイントサイト&アンケート
ポイントサイトは広告閲覧やサービス利用でポイントが付与され、現金や電子マネーに交換できる仕組みです。1クリック数円〜数十円の案件が多いため、所得が急に20万円を超える心配が少なく、通勤電車や休憩時間の“ながら作業”でコツコツ貯められます。
主要サイトは「モッピー」「ハピタス」「ポイントインカム」などで、会員登録や交換手数料が無料の点が初心者に人気です。アンケートモニター系では「マクロミル」「リサーチパネル」が代表例で、1件5分前後の設問回答で数十円の報酬が得られます。
スマホアプリ通知をオンにしておけば回答機会を逃しにくく、月数千円〜1万円前後の“お小遣い”を安定化しやすいです。
【活用ステップ】
- 無料会員登録後、本人確認を実施して交換上限を引き上げる
- ショッピング案件はクレカ決済と組み合わせて二重取り
- 交換申請は3千〜5千ポイント単位でまとめ、振込手数料を圧縮
- 期限付きポイントはカレンダー連動アプリで自動リマインド
- 単価の低いクリック案件ばかりに偏ると時給が下がる
- 複数サイトの同案件を重複利用すると規約違反になる場合がある
こうした対策を講じれば、生活リズムを崩さずに月1〜2万円程度の副収入を積み上げつつ、年間所得を20万円以内に収められます。
初心者向けWebライター・ブログ広告
スキルアップを兼ねて高単価を狙うなら、クラウドソーシングでのWebライター案件とブログ広告収入が有力です。クラウドワークスやランサーズには文字単価0.8〜1.2円の初心者歓迎タスクが多数あり、2千文字の記事を週2本納品すれば月1万6千円前後を目安に稼げます。
PDFマニュアルやチャット上のフィードバックで書き方を学べる募集が多いため、実践を通じて文章力とSEO基礎を習得できます。ブログ運営ではWordPressと無料テーマを利用し、Google AdSenseやA8.netなどASP広告で収益化可能。
【ブログ収益化の流れ】
- レンタルサーバー契約と独自ドメイン取得(初年度1万円弱)
- WordPressをインストールし、雑記よりも特化ジャンルで記事投稿
- 月間PVが1千を超えたらAdSense申請、合格後クリック報酬を獲得
- 物販系ASPでレビュー記事を追加し、成果型報酬を上乗せ
- 報酬単価が上がるにつれて作業時間を調整しやすい
- 文章スキルが本業のプレゼン・資料作成にも活かせる
- ブログは資産性があり、更新を止めても広告が残る
- クラウドソーシングは契約書で再委託禁止・著作権譲渡の有無を確認
- 納期を守れないと評価が下がり、単価アップのチャンスを逃す
- ブログの画像はフリー素材か自作に限定し、引用ルールを明示
月3万円を超えそうなら記事数や受注量をセーブし、所得を20万円の枠内に調整する運用が安全です。
不用品販売・ハンドメイドECでコツコツ利益
家にある不要品を売る「断捨離型」と、自作アイテムを販売する「クリエイティブ型」は、実物取引の中でも初期費用がほぼゼロで始められる副業です。フリマアプリ(メルカリ・ラクマ)は写真撮影と説明文投稿だけで出品でき、発送もコンビニから匿名配送が選べます。
平均的な販売価格は衣類1千〜2千円、家電小物3千〜5千円が相場で、在庫を抱えないぶん売れ残りリスクが低いのがメリットです。ハンドメイド販売ではCreemaやminneが定番で、アクセサリーやキャンドルなど材料費3割・販売価格7割を目安に利益確保が可能。
【利益を最大化するコツ】
- 販売前にカテゴリー別の平均落札相場をリサーチし価格設定
- 商品説明に「使用期間」「動作確認」「付属品の有無」を明記しトラブル防止
- サイズがコンパクトな商品を選び、送料を抑えて利益率アップ
- レジンアクセサリー:材料費5千円で月売上1万5千円
- 刺繍ブローチ:作業時間1個30分・利益率60%以上
- ペット用ネームタグ:名入れオプションで単価+3百円
- 材料を大量購入すると売れ残りで赤字化しやすい
- ハンドメイド品はPL法に抵触しないよう素材の安全性を確認
- 中古品販売は古物営業法の対象になる可能性があるため、高額継続販売は許可の検討を
これら実物取引型は、月売上が3〜5万円へ伸びても材料費や送料を経費計上すれば所得を抑えられます。
まずは自宅在庫を資金化し、その利益で次の仕入れや材料費をまかなう循環を作れば、20万円以内に収めつつキャッシュフローを堅実に成長させられます。
20万円以内に収める収益管理とバレ防止策

副業を安全に続けるコツは「所得を常に見える化し、会社や税務署に不要な疑念を与えないこと」です。たとえ月々の売上が少額でも、年間で経費を引いた“所得”が20万円を超えれば確定申告が必要になり、住民税の増額通知を通じて会社に副業が露見するリスクが高まります。
本章では〈収益管理アプリでリアルタイムに所得を把握する方法〉〈経費計上と領収書整理の鉄則〉〈社会保険・住民税の取り扱いで会社バレを防ぐ実務〉を順に解説します。
スマホ一台でできる作業が中心なので、経理が苦手な初心者でも取り組みやすく、20万円ルールを超えない範囲で副収入を積み上げられます。
- リアルタイム記帳で「累計所得」を常に把握
- 経費証憑は電子保存+紙原本を二重保管
- 住民税は普通徴収へ切替、健康保険は扶養外れに注意
収支アプリで「所得」をリアルタイム計測
副業の収益は月単位ではなく年間累計で判定されます。そのため「今のペースでいくと所得が何月頃に20万円へ達するか」を随時確認できる体制が不可欠です。おすすめは家計簿系アプリとクラウド会計ソフトを連携させたハイブリッド管理です。
たとえば「マネーフォワード ME」は銀行・クレカ・決済アプリ4200社以上と自動連携し、入出金を自動取得。副業用の振込口座と決済カードを一元化すれば、アプリ上で副業の収入と経費を色分け表示できます。
さらに「freee」や「マネーフォワード クラウド確定申告」と連携すると、仕訳が自動学習され「所得=収入-経費」がリアルタイムにグラフ化されるので、あといくら稼げるかを一目で把握できます。
アプリ名 | 主な機能 | 副業向け活用ポイント |
---|---|---|
マネーフォワード ME | 口座・カード・ポイント自動取得、家計分析グラフ | 副業専用口座をタグ管理し、所得累計をダッシュボード化 |
freee 会計 | 自動仕訳、確定申告書類出力、電子申請 | スマホ撮影でレシート即仕訳、所得推移を月次レポート化 |
弥生インボイス管理 | 請求書発行、入金消込、電子帳簿保存 | 売掛管理で未回収リスクを見える化、CSVで年間集計 |
- データ更新が遅延すると所得計算がズレる→月末に手動同期を実施
- 銀行API仕様変更で連携切れが発生→メール通知をオンにして即再認証
- 現金取引は自分で入力しないと漏れる→週次でレシートをまとめ登録
この仕組みを確立しておけば、「今月は所得が累計15万円なので来月は売上を抑えよう」と瞬時に判断でき、20万円ルールを超えるリスクを未然に防げます。
経費計上の基本と領収書管理術
所得を抑える最もシンプルな方法は「経費を正しく計上する」ことです。副業に直接必要な費用であれば多くが経費になり、税法上も問題ありません。
具体的には通信費・電気代・サーバー代・材料費・発送送料などが該当します。按分基準が必要な自宅光熱費は「副業スペースの床面積÷自宅総面積」で合理的に計算し、比率をエクセルに残しておくと税務調査でも説明しやすいです。
- 通信費:Wi-Fi6メッシュルーター導入費も業務使用割合で経費化
- 電気代:パソコンの消費電力×稼働時間で概算する簡易法が便利
- 備品:プリンターや照明器具は10万円未満なら一括経費、10万円以上は減価償却
領収書は紙原本をスキャンし、クラウドストレージで「年月日\_内容\_金額」のファイル名ルールを設定すると検索性が飛躍的に向上します。また電子帳簿保存法の改正でスマホ撮影でも証憑として認められるため、作業時間を短縮できます。
- スマホアプリで撮影しOCR自動読取→金額・日付をチェック
- クラウド会計に画像を連携し、該当仕訳へドラッグ&ドロップ
- 紙原本は月別クリアファイルにまとめ、5年間保管
- カフェ代:作業目的をメモし、打合せ同席者がいる場合は名前を記載
- 書籍代:副業内容と直接関係しないビジネス書は按分または除外
- 洋服:撮影用衣装でも私的利用割合が高いと家事按分を求められる
経費の可否を判断に迷ったら「業務関連性を客観的に説明できるか」を基準にし、補足メモを添付しておくと後日自分でも内容を思い出しやすくなります。
社会保険・住民税から会社にバレない方法
副業が会社にバレる主な経路は〈住民税の特別徴収額の増加〉〈社会保険の扶養条件外れ〉の2つです。住民税対策としては、確定申告書第二表または住民税申告書で「普通徴収(自分で納付)」を選択し、副業分だけ別納にすることが最も有効です。
普通徴収を選ぶと6月・8月・10月・翌年1月の4期に分かれた納付書が自宅に届くので、コンビニ払いやQRコード決済で支払いましょう。
項目 | 注意点 | 対策 |
---|---|---|
住民税 | 特別徴収のままだと増税分が給与担当に通知 | 確定申告で必ず「自分で納付」に✓ |
健康保険 | 年収130万円超で扶養外れ→保険料負担増 | 所得見込みが増える年は早めにシミュレーション |
厚生年金 | 副業の雇用形態が週20時間超・月賃金8.8万円超で加入対象 | 業務委託契約に変更し、報酬を成果型へ調整 |
- 副業用振込口座をネット銀行に分離し、給与担当が閲覧できないようにする
- 副業の電話番号はIP電話アプリを利用し、勤務先への着信を避ける
- 源泉徴収票を確認し、前年との差額が大きければ説明準備を整える
- 収益公開ツイートで同僚が副業を察知するケースあり
- プロフィール欄に本業と関連付く記載を避ける
- 写真に社内資料が映り込むと守秘義務違反になる可能性
会社規定で副業が禁止・制限されている場合は、規則違反そのものが懲戒対象になる恐れがあります。
収入面だけでなく情報発信や業務時間の重複にも注意し、「申告手続き」「保険・税金」「日常の言動」の3方向から抜け漏れなく対策を講じれば、20万円ルールの範囲内で安全かつ快適に副業を続けられます。
20万円を超えそうなときのステップアップ戦略

副業を続けていると「気付けば年間所得が20万円目前」というタイミングが訪れます。そのまま超過すると確定申告が必須となりますが、視点を変えれば“事業化”の好機です。
個人事業主として開業届を提出し、青色申告特別控除や経費拡大を活用すれば、納税負担を抑えながら収入アップを図れます。
また副業で得たキャッシュを新NISAやiDeCoなど長期運用に回すと、税制優遇が複層的に働き、純資産を加速度的に伸ばせます。本章では、開業・青色申告のメリット、経費最適化の具体策、再投資による資産形成の3段階で、20万円を超えた後の成長ロードマップを提示します。
- 開業届+青色申告で最大65万円控除
- 経費上限が広がり利益を圧縮しやすい
- 余剰資金は非課税運用で複利を狙う
個人事業主開業届と青色申告のメリット
開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)は原則、開業日から1か月以内に税務署へ提出します。
提出は義務ではありませんが、同時に青色申告承認申請書を提出すると、帳簿を複式簿記で作成・保存することで最大65万円の特別控除が受けられます。これは「所得-65万円」で課税所得を圧縮できる強力な節税策です。
手続き | 主な効果 | 実務ポイント |
---|---|---|
開業届 | 屋号利用・銀行口座開設が容易 | 開業日は過去の日付でも可(売上発生日に合わせると◎) |
青色申告 承認申請 |
10万円or65万円控除/赤字3年繰越 | 電子帳簿保存+e-Tax提出で65万円控除にステップアップ |
- 家族への給与を「専従者給与」として経費にできる
- 30万円未満の設備は即時償却可能(少額減価償却資産)
- 屋号入り請求書で取引相手の信頼度アップ
- 帳簿保存は最長7年。領収書原本はクラウド+紙で二重保存
- 青色申告承認申請は原則3月15日まで(または「1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内」。開業年に出し忘れると白色申告のみ
- 事業所得化すると国民健康保険料が増える場合がある
複式簿記を自力で行う自信がない場合は、クラウド会計ソフトの青色モードを利用すると自動仕訳と確定申告書類の自動作成が可能です。費用は年1万円台からなので、65万円控除の効果を考えれば十分に元が取れます。
節税しながら副業を拡大する経費の考え方
開業後は経費計上の幅が広がりますが、無制限ではありません。「事業の遂行に直接必要」であることを示す証憑が不可欠です。例えば自宅を作業場とする場合、家賃・光熱費・通信費を事業割合で按分し経費化できます。
事業割合を決めるには、作業時間または作業スペースの面積比率を基準とし、エビデンスとして勤怠ログや間取り図を保存しておくと安心です。
- 旅費交通費:副業取材やセミナー参加の電車代・宿泊費
- 交際費:取引先との打ち合わせ・情報交換会の飲食費(1人当たり1万円以下(令和6年4月1日以降に支出分)(参照:交際費等の範囲と損金不算入額の計算)
- 広告宣伝費:SNS広告・チラシ印刷代・名刺作成費
- 消耗品費:PC周辺機器や文具で1個10万円未満
- 副業専用クレカ・口座で支払いを一本化し仕訳効率化
- 月末にクラウド会計の「勘定科目提案」を確認しまとめ承認
- 年度末に予算余剰があれば設備投資で利益を圧縮
- 書籍・セミナー:業種関連の専門書以外は割合按分
- 衣服:動画撮影用衣装は可、日常着は原則不可
- 自家用車:走行距離で業務使用割合を算定し記録簿を保存
節税と同時にキャッシュフローを守るため、経費の先行投資は“回収可能な支出”かどうか事前にシミュレーションしましょう。
クラウド会計のレポート機能で月次損益と予算実績差異をチェックすれば、無駄な支出を早期に発見できます。
副業収入を長期資産運用に回す再投資プラン
事業化で増えたキャッシュをそのまま消費していては長期的な資産形成につながりません。税制優遇のある投資口座を活用し、複利運用で“お金に働いてもらう”仕組みを作ることが重要です。
代表的なのは新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)とiDeCoです。新NISAなら年間360万円、iDeCoなら月額最大6万8千円(自営業者の場合)まで、運用益が非課税となります。
制度 | 非課税メリット | 副業者向け活用ポイント |
---|---|---|
新NISA | 運用益・配当非課税/売却枠再利用可 | 副業収入の余剰10〜20%を毎月自動積立し、ドルコスト平均法で長期分散 |
iDeCo | 掛金が全額所得控除/運用益非課税 | 青色申告控除後の課税所得をさらに引き下げ、社会保険料も減少 |
- 副業用口座に入金時点で10%を“投資専用サブ口座”へ自動振替
- 毎月1日に新NISA積立発注、年2回リバランス
- 非常用資金3か月分はネット銀行普通預金(高金利型)で待機
- 売却益は再び積立へ回し、収益アップを複利で加速
- iDeCoは原則60歳まで引き出せないため急な資金需要を考慮
- 新NISAのハイリスク枠は下落局面で心理的負担が大きい→投資割合を年齢と逆相関で調整
- 退職所得控除を最大限活かすには受取時期の分散が有効
副業の利益を経費・控除で圧縮しつつ、浮いたキャッシュを非課税枠へ再投資することで、手取りを最大化しながら資産残高を雪だるま式に増やせます。
こうした資金循環をルーチン化すれば、20万円ルールを卒業した後も「稼ぐ→節税→資産運用→再投資」の好循環が続き、将来的な独立やセミリタイアの選択肢も広がるでしょう。
まとめ
20万円以下の副業なら確定申告の手間と追加納税を回避しつつ、本業に支障なく収入源を広げられます。
ポイントサイトなど低リスク案件から始め、収支アプリで所得を逐次確認。経費計上と住民税の普通徴収設定で会社バレを防ぎ、超過しそうになったら開業届と青色申告で節税しながら事業化へ進む――この流れを押さえれば、副業初心者でも安全かつ着実に収益を伸ばせるでしょう。長期資産運用に再投資することで将来の資産形成にも直結します。